smile and tomorrow【洋画風】[1:1]

【登場人物】♂1:♀1 約20~30分

ダニエル:35歳。虐待を受けている子どもたちを保護する職員。
アン:アニー(ニックネーム)。10歳。親からひどい虐待を受けていた。

【本編】

ダニエル(M):アニーとはじめて会った時のことは忘れられない。
髪はもつれ、櫛も通らず、肌もひどく汚れていて、瘦せ細り、体は傷や痣だらけ。
サイズの合わない古びた服とボロボロのサンダルを履き、
常に、怯えた目で何かに隠れたがっていた。
言葉はたどたどしく、満足に勉強もさせてもらってないようだった。

一時、保護施設で面倒をみた後、
女性職員が自宅に連れていき、様子をみる予定だったが、
その職員の子どもが高熱を出したらしく、急遽、オレが、この子を引き取ることになった。


ダニエル:やあ、見違えるようだ。かわいいお嬢さん。
今日からしばらくの間、おじさんと一緒に過ごす……

(アニー、車の後ろに隠れる)

アニー:ッ!

ダニエル:ああ、その車、クールだろう。
「Kei Truck」って言うんだぜ。日本製だ。
後ろに乗ってみるかい?

ダニエル:おっと、下に入ったらいけないよ。
せっかくきれいにしてもらったんだろう?
かわいい顔と洋服が台無しなる。
それに、この車が急に動いたら、大変なことになる。

(慌てて出てくるアニー)

ダニエル:いい子だ。

ダニエル:どうだ、ここ空気がうまいだろう。
空気をいっぱい吸ってごらん。
田舎だが、いいところだ。
農場もいっぱいある。
だから、この「Kei Truck」が丁度いい。
名前をつけてあるんだぜ?
「JET」って言うんだ。クールだろう?
赤いJETで、窓を開けて走ると、気持ちがいいんだぜ?

ダニエル:これに乗ってるやつは、気のいいやつばかりだ。
あー……、たぶん、だがな。

アニー:……

ダニエル:ロリポップキャンディは好きかな?

アニー:……キャンディ

ダニエル:そうだ。どれがいい?好きなのを選んでごらん。

アニー:いい、の?

ダニエル:さぁ、どれでもどうぞ。

アニー:おこら、ない?

ダニエル:もちろんさ、君のために買ってきたんだよ。

アニー:ん(指をさす)

ダニエル:お、これはこれは大当たり。
「スマイリーロングスティックキャンディ」だ。
何色がいい?赤?青?それとも黄色かな。

アニー:あか。

ダニエル:君のチョイスは最高だな。
この車と同じ色だ。
よし、じゃあ、そいつを口に入れて、反対側に乗ってくれ。
いまドアを開けるよ。

(車にアニーを乗せて、走り出す)

ダニエル:どうだ。見ろよ。牛がいっぱいだ。
まぁ、ちょっと匂うけどな。

ダニエル:おーい、今日もうまいミルクをありがとな!

アニー:牛さん。ミルク。

ダニエル:そうだモゥ、今日もみんなのために、ミルクを出すモゥ。

アニー:モゥ……

ダニエル:ハハ、若干滑ってる気もしなくはないが……。

よ~し、ついたぞ。
さぁ車から降りてごらん。ここが新しいおウチだよ。

アニー:ここ……

ダニエル:ああ。しばらくはオレと一緒に暮らすんだ。
中に入ってごらん。何も気を遣うことはない。

アニー:中に?鍵、しめる……?

ダニエル:ん?
ああ、中に入ったら、泥棒が入ってこないように玄関に鍵をかけるよ。

アニー:イ、イヤ……

ダニエル:どうした?

アニー:また出られなくなるっ!部屋に閉じ込められるっ!

ダニエル:ああ……、悪かった。そういうことじゃないんだ。
君はこれから自由にしていい。もうあんな、酷いところには戻らなくていい。

アニー:じゆう?

ダニエル:そうさ、自由だ。

アニー:わからない……

ダニエル:そうか……。

アニー:わからないの、ダメな子。ごめんなさい。

ダニエル:なぁに、最初はみんなわからないさ。
少しずつ知っていけばいい。
おじさんだって、こどもの頃はなーんにもわからなかったぞ?

ダニエル:ああ、あらためて自己紹介するよ。
オレの名前は「ダニエル」。
一時的に君を保護するおじさんだ。

アニー:ほご?

ダニエル:君を悪いやつらから守るってことさ。

アニー:殴らない?

ダニエル:殴らない。

アニー:閉じ込めない?

ダニエル:閉じ込めない。

アニー:ごはんは……

ダニエル:君の好きなものを食べればいい。
もちろん、君のために作る。オレはなかなか料理がうまいんだぞ?

ダニエル:外にも食べに行こう。
ハンバーガーとか、ホットドッグ、ピザ、グリルチーズサンド、食べたいだろう?

アニー:しらない。

ダニエル:しらない?

アニー:はんばーがー……?

ダニエル:……そうか。
これからいろいろ楽しいことをしていこう。

アニー:たのしいこと?
たのしいこと、ひみつ、誰にもいったらいけないっ
こわい……、こわい……

ダニエル(M):クソ野郎が……
そうやって、この子を弄んでやがったんだな……
反吐が出る!

ダニエル:すまない。オレの言い方が悪かった。
これから、本当の「楽しい」を一緒に見つけていこう。
本当の楽しいは、君がわくわくする、笑顔になる、元気になることだ。

アニー:本当の楽しい……

ダニエル:ああ。
君の名前は……と、そうだ。
急に担当が変わって、まだ資料をちゃんと見てなかった。
ええと。名前はアン……。10歳……?

アニー:名前、ない。みんな、「おまえ」って呼んでた。

ダニエル:いいや、それはみんなが間違っている。
君の名前は「アン・ドゥーリトル」だ。

アニー:ちがう。「ナマケモノ」
「おまえは、ナマケモノだ」って。
みんなが叩く。石をぶつける。

ダニエル:オーケー。わかった。
君は、今日から「アニー」だ。
オレは「ダニー」
どうだ。
「アニーとダ二―」。
いいコンビだろ?

アニー:アニー……

ダニエル:名前があれば友達になりやすい。
「アン」だって、お姫様みたいな名前で素敵だぞ。
でも、もっと仲良くなるには、ニックネームで呼びあうといいんだ。
オレのこと「ダニー」って呼んでくれるとうれしい。どうかな?

アニー:……

ダニエル:まだはやいか。「おじさん」でもいいぞ。

アニー:だ、ダニー……

ダニエル:……ありがとう。アニー。君は本当にいい子だ。
約束するよ、アニー。
君を叩いたり、悲しませたり、寂しくさせたりなんかしない。

アニー:ウソ……

ダニエル:ウソもつかない。

ダニエル:ああ、そうだ。ここでちょっと踊ってみせようか。
オレは昔、舞台で歌ったり踊ったりしていたんだぜ。
なぜこんな田舎に住んでいるかっていうと、大きな声で歌っても文句を言われないからさ。
昔は、きらびやかなショービジネスの世界にいたけどな。疲れちまった。

アニー:……?

ダニエル:ああ、それはこっちの話だ。

よっと。

(ボディに乗る)

この「JET」はステージにもなる。
だから、赤いのを選んだ。

ダニエル:Ladies' and Gentlemen! it's showtime!!

アニー:ほわっ……!

ダニエル:今日はかわいいお客様に一曲プレゼントいたします!
アニー、何か歌ってほしい曲はあるかい?

アニー:う、うた、しらない。

ダニエル:OK!それでは、この素晴らしい出会いに。
「Singin' in the Rain」
誰もがHAPPY!みんながHAPPY!

ああ、雨は降ってないけどね。

(歌って踊るダニエル)

ダニエル:どうだい?

アニー:は、はじめて、見た。

ダニエル:何か感じたことはあるかな?

アニー:えぇと、ドキドキした。

ダニエル:それはこわいドキドキ?

アニー:こわくない。ん……と、ずっと見ていたかった。

ダニエル:なら、楽しいドキドキだ。やったな、アニー。
もう、「楽しい」をひとつ見つけたじゃないか。

ダニエル:オレのダンスはよかったかい?

アニー:よかっ、た。

ダニエル:もしよろしければ、拍手をいただけるとうれしいのですが?

アニー:あ、はくしゅ、

ダニエル:こうやるんだ。

アニー:こう?

ダニエル:そうだ。
楽しかった、よかった!という感動を表現するためにするんだ。

(一生懸命拍手するアニー)

ダニエル:ありがとう、お嬢さん。
君の拍手が、オレに元気をくれたよ。
オレはいまうれしくて、もっと踊りたくなってるよ。

アニー:もっと……?

ダニエル:そう。
アニー、君は人を元気にすることができる。

アニー:……?

ダニエル:ああ、どうしよう。
もっと歌いたい、もっと踊りたくなってしまったよ。
君の中に楽しいを増やしたくてたまらない。
願わくば、笑ってほしい。

アニー:わらう。

みんな、私をみてわらってた。
わらいながら、ホウキで私を―

ダニエル:アニー。
その「笑う」じゃない。そんなのは本物じゃない。
スマイルだ。喜びや幸せをあらわすんだよ。

アニー:スマイル……

ダニエル:アニー。こっちを見て。

「peek-a-boo!(ピーカブー)」

アニー:……え

ダニエル:おっと、赤ちゃん向けだったか……

ダニエル:それなら、これはどうだ?
ほら、このハンカチ。なぁにもないだろ?
それが、ワン・ツー・スリー。
「Tada-!(タダー!)」

アニー:わっ!

ダニエル:君へのプレゼントだよ。

アニー:お、花?どこから……?

ダニエル:受け取ってくれるかい?

(恐る恐る手を出すアニー)

アニー:は、は、

ダニエル:ん?

アニー:はくしゅ、はくしゅ!

ダニエル:ありがとう、ありがとう。
君の拍手は、本当に人を幸せにする。

アニー:スマイル!スマイル!

ダニエル:ハハハ!それは口で言うもんじゃないんだ。

ダニエル:そうだ、君に見せたいものがある。それはこのウチの中にある。
鍵がこわいなら、かけないし、ドアも窓も開けっぱなしにしよう。
周りがアニーのことを悪く言ったり、誰かが入ってきて、アニーを叩こうとするやつは、オレが追い出してやる。
必ずだ。どうだい?

アニー:う、ん。

ダニエル:よし、決まりだ。ようこそ我が家へ。アン王女!お手をどうぞ。

アニー:え、え、こう?

ダニエル:素晴らしい!なんてかわいらしい手だ。エンジェルかと思ったよ。
いいや、君はエンジェルだ。

ダニエル(M):オレは、アニーに、ミュージカルや映画のビデオを見せたり、音楽を流したりした。
アニーは、目をまんまるくして、食い入るように見ていた。

ダニエル:アニー、お楽しみのところジャマして悪いがランチタイムだ。
パンケーキを作ってみたぞ。

アニー:パン?

ダニエル:どうだい?生クリームに、ベリーがたくさん乗ってるパンケーキだよ。

アニー:いい、におい。

ダニエル:食べてみるかい?

アニー:た、たべる。

ダニエル:よーし、こっちの椅子に座ってごらん。
おっと、手づかみじゃない。
ナイフとフォークを使うんだ。

アニー:う、う、こわい、こわい。

ダニエル:こうやって使うんだよ。
どうだい。キレイに切れただろう?

アニー:おお、はくしゅ、はくしゅ。

ダニエル:ありがとう。
フォークはこう使う。さ、食べてごらん。

ダニエル(M):パンケーキをはじめて食べたアニーの顔はなんともいえず、愛らしく、またも拍手をしてくれた。
アニーは、食べ終わると、またすぐ映画を見たがった。特にお気に入りは、ミュージカルのようだ。

ダニエル(M):その間に、パソコンで彼女の様子をメールで連絡する。
何か月もかかったが、連携作業でようやく保護できた子だ。

ダニエル:ええと、風呂は……、
ああ、明日キャシーが来て面倒みてくれる予定か。
オレがやらなくていいんだったな。
幼く感じるが、10歳だ。
キャシーは新人だが、明るいし、子ども好き。なんとかなるだろう。
まぁそれだけではやっていけない仕事だが、何かあったらフォローするとして……。
あとは……、食欲はあり。これは助かる。
今日食べたものは、と。

しかし、あらためて、調査報告書を読むと、まともじゃない。
孤児院でも虐待され、引き取られた親にも虐待され、監禁状態。
しかも父親からは―。

クソ!口に出したくもねぇっ!(深い溜息)

(時計を見る)

ん?
9時、もうこんな時間か。

(アニーに声をかける)

アニー?
まだ映画を観てるのかい?

アニー?

(様子をみにいく)

ア……、
ソファで寝ちまってる。
ふ、寝顔もかわいいじゃないか。

ここにも痣が……
どれだけ辛い思いをしてきたんだろうな。

……。

さて、起こしていいものか。触ると怖がるだろうし……。

そうだ。犬のぬいぐるみを買っておいたんだった。
ええと、これだ、これ。
熊のがよかったかな。ま、とりあえず。

(犬のぬいぐるみのふりで、声をかえて)

ダニエル:「アニー。アニー。起きてよ。アニー」

アニー:んん……。

ダニエル:「ここで寝ると風邪をひいちゃうよ。ベッドで一緒に寝ようよ」

アニー:わ、わんちゃん……?

ダニエル:「そうだよ。僕の名前はサンディー。アニーと友達になりたくてやってきたんだ」

アニー:サンディー!いた、サンディー!

ダニエル(M):ん?いたって、どういうことだ?

ダニエル:「そうだよ。僕は君とずっと一緒にいたいたんだ。ハグしてくれるとうれしいな」

アニー:ハグ……。うん、おいで。

ダニエル:「ありがとう!」

アニー:あ、ダニー!

ダニエル:ハハ、驚かせちまったかな。それは君へのプレゼントだ。
そのぬいぐるみと一緒に、ベッドで寝る時間だよ。

パジャマは、これでどうかな。
あー、ちょっとセンスが悪いが、許してくれよ。

パジャマはわかるかな。寝るときに着る洋服だ。

アニー:パジャマ、わかる。
パジャマどんどん縮んで、破れていった。

ダニエル:……。これからは、そのたびに替えてあげるよ。
ひとりで着替えられるね?

アニー:うん。

ダニエル:レディの着替えをのぞくわけにはいかない。
少し向こうにいっているよ。

【間】

アニー:ダニー!ダニー!

ダニエル:どうした!

アニー:ダニー、いた……。
いなくなったかと思った。また捨てられたかと思った。

ダニエル:いるよ。
なぜこんなにかわいい子を捨てなくちゃいけないんだ?

アニー:ゴミ箱に入れられた……

ダニエル:……。
あ、ああ、パジャマのサイズもピッタリだ。花柄もよく似合ってる。
サンディーと一緒に、ベッドに入ってごらん。

アニー:床でいい。いつも床で寝てた。

ダニエル:今日からは、このふかふかのベッドが君のものだよ。
さ、遠慮しないで。

アニー:ベッド、寝るの、イヤ!寝るの、イヤ!

ダニエル:アニー?

アニー:イヤ!

ダニエル:もう、誰も君の眠りをじゃましない。

アニー:イヤ!イヤ!

(泣き出すアニー)

ダニエル:大事なものは、大切に扱うんだ。
そんなこともできないヤツは……!

アニー:ッ!た、叩く?
泣いたら叩く、しつけ!

ダニエル:ちがう。ちがうよ。すまない。
アニーのことじゃない。

アニー:だいじなもの。

ダニエル:そうだ。アニーは大事な宝物だ。
だから壊れないように、大切に大切にするんだ。

アニー:たいせつ……

ダニエル:アニーは、このサンディーが誰かにいじめられたらどう思う。

アニー:ダメッ!いじめたらダメッ!

ダニエル:そうだ。サンディーもそう思ってるさ。

アニー:サンディー……。ハグ……。Good boy。

ダニエル:「ありがとう。アニー。僕もアニーが大好きさ。アニーを泣かすようなことをするやつは、サンディーと」このダニーマンが許さない!

アニー:サンディーとダニーマン……。

ダニエル:そうだ。二人も、アニーのことを大事にしたいと思ってる。

アニー:……ふふ。

ダニエル:アニー……。それがスマイルだよ。

アニー:スマイル。あ、キャンディ!

ダニエル:そうだ。来るときになめてたキャンディはスマイリーって言うんだ。
まだ残ってたよな。
お、あったあった。ほら。この顔。

アニー:おお……。にー(スマイリーの真似をするアニー)

ダニエル:アニー……、スマイリーと同じ顔だぞ。

アニー:にー

ダニエル:……オレの顔も見てくれよ。
この顔がスマイルだ。
うれしいって気持ちだ。ほら。

アニー:うれしい……。うれしい。
サンディー。うれしい。
パジャマ、お花。うれしい。
スマイル、にー!はくしゅ、パチパチ!

ダニエル:……

アニー:スマイル!スマイ……。ダニー、涙?

ダニエル:こ、これは!
うれしくても涙がでるもんなんだぜ。
そのうちわかる。

アニー:わからないこと、いっぱい。

ダニエル:明日になれば、またひとつわかることが増えていくさ。
それを繰り返していくんだ。
だから、いまはただ明日のことを考えるんだ。

アニー: tomorrow

ダニエル:そうだ。明日になれば太陽は昇る。

アニー:(たどたどしく)Tomorrow, tomorrow, I love ya, tomorrow……!

ダニエル:ミュージカルの「Annie」も見たのか。それでサンディーのことも……。

アニー:サンディーも、泣く?

ダニエル:どうかな、サンディーは強い子だから。
もしアニーが泣いたら、なめて慰めてくれるんじゃないかな。

アニー:……ダニー。サンディーが。

ダニエル:ん?

アニー:涙、ふいてあげるって。

(サンディーの手を動かして、ダニーの涙をぬぐう)

ダニエル:……ッ!

アニー:うん。サンディー、いい子。
サンディーとベッド、入る。

ダニエル:……い、いい子だ。
ありがとな、サンディー。
今日から、サンディーとオレはアニーを守る相棒だな。

アニー:ダニー、どこに行く?

ダニエル:オレは、隣のソファーで寝てるよ。

アニー:風邪、ひいちゃう。

ダニー:オレはいつもここで寝てるんだ。大丈夫。

アニー:ダニー……

ダニエル:ん?

アニー:うた、歌って。

ダニエル:歌?

アニー:「スマイル」

ダニエル:スマイル……?ああ、チャップリンの「スマイル」か。
ナット・キング・コールが歌っていたのも見たんだな。
よし、いいぞ。

(スマイルを優しく歌うダニー)

ダニエル:……寝たか?アニー?

アニー:ダニー……

ダニエル:まだ起きてるのか?

アニー:……

ダニエル:いや、寝言か。涙……
アニー、サンディーと一緒にいい夢をみるんだよ。

(立ち上がり、部屋を出ようとするダニー)

ダニエル:ライトを消すよ。

アニー:ダニー……

ダニエル:え?

アニー:あり、がと……

ダニエル(M):サンディーが、手を振ってる……。

ダニエル:おやすみ。かわいいアニー。

アニー:smile... see you tomorrow...

【終演】

※ドリトル(Dolittle)、或いはドゥーリトル(Doolittle)は、英語圏の姓。原義は「怠け者」。